『Think clearly』で、考えすぎる自分とさよならできた話

「Think clearly」ロルフ・ドベリ
副題:最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法


📕はじめに 小さな選択に時間を使いすぎる性格

「今日、何食べようかな」
「この企画、まず何から手をつけるべき?」
「資料の表紙デザイン、どっちのフォントが見やすいだろう…」

──こういった小さな選択に、やたらと時間を取られていたのが、かつての僕でした。

決して“真剣に考えていない”わけではないのに、毎日がモヤモヤ。思考はいつもぐるぐる。
結局、時間だけが過ぎていき、夜になると「今日も大事なことは何も進んでないな…」と落ち込む日々です。

そんなとき、ある同僚が「思考を整理したいなら、この本いいよ」と貸してくれたのが、ロルフ・ドベリ著『Think clearly』でした。

正直、最初はタイトルがちょっとカッコつけてる感じがして、斜に構えていた自分がいました。
でも読み進めていくうちに、「これ、自分のために書かれた本か?」と思うくらい、図星を突かれまくったんです。

僕は、日常の中で“小さな選択”に何度も立ち止まるタイプでした。
朝の服選びに5分、昼のランチ選びに10分。
メールの返信文を3回書き直して、会議の発言は「今言うべきか?」「この例えは適切か?」と心の中でひたすら葛藤していました。

『Think clearly』には、そんな思考パターンにズバッと切り込む言葉が並びます。

「人生を変えるのは、1日1回あるかどうかの“大きな選択”だけだ。残りの99%の“小さな選択”には、悩む価値がない」

この言葉を読んだとき、思わず本を閉じてしばらく固まってしまいました。
自分が、どれだけエネルギーを“意味のない悩み”に使ってきたかを痛感したからです。


📘見どころ①思考のムダを“見える化”した方法

『Think clearly』を読んでからの僕は、1週間だけ「何にどれくらい考えたか」を記録してみました。
思考日記みたいなもので、「朝の服選び → 7分」「クライアントへの返信文検討 → 12分」といった具合です。

すると、1日で30件以上の“どうでもいい迷い”に時間を使っていることが判明しました。
しかも、あとで振り返ると「別にどっちでもよかったな…」というものばかりです。

ここでようやく、ロルフ・ドベリの主張が腑に落ちました。
「考えるな」ということではなく、「考える価値があるかどうか」を見極めろ。
この視点を得てから、僕は“考える優先順位”を意識するようになりました。

判断の基準があると、行動が早くなります。
『Think clearly』では、「ルールを決めておくことの大切さ」も語られています。

たとえば、服選びが面倒なら「白シャツ+黒パンツ」と決めてしまうことです。
仕事で迷ったら「5分悩んで結論が出ないなら、とりあえず動いてみる」など、自分なりの基準を作ります。

僕もさっそく、自分用の“判断ルール”をつくりました。

ランチの選択に迷ったら「前日と違うジャンル」で選ぶ
メール返信に迷ったら「誤解がないか」だけをチェックして送信
会議での発言に迷ったら「3秒以内に結論がある話かどうか」で判断

たったこれだけで、日々の決断スピードが格段に上がり、思考が軽くなっていきました。


📗見どころ②“完璧主義”を手放したその後

僕が小さな選択に悩んでいたのは、「常にベストな選択をしなければいけない」と思っていたからです。
つまりは完璧主義でした。

でも『Think clearly』では、「人生は不確実性に満ちていて、正解などない。だから“そこそこ”を許容せよ」と語られます。

この“そこそこ”という感覚に、最初は抵抗がありました。
だけど、考えすぎて動けないよりは、動きながら調整したほうがはるかに前に進めると、徐々に実感するようになったんです。

完璧を目指さないと、「失敗してもいい」と思えるようになる。
結果として、行動量が増え、むしろミスが減るという不思議な循環が生まれました。


📙まとめ シンプルに考えるだけで、人生はもっと軽くなる

『Think clearly』は、一言でいえば「思考の断捨離」の本でした。
何かを足すのではなく、余分な迷いや思い込みを削ぎ落とすことで、本当に大切なことが見えてきます。

以前の僕は“考えること”自体に価値があると思っていたけれど、それは幻想でした。
考えるべきところでしっかり考え、考える必要がない場面では、すっと決断します。
それだけで、人生の手触りがまったく違ってきます。

今では、毎朝の服選びに迷うこともなければ、メールで頭を抱えることもほとんどありません。
むしろ、空いた思考スペースを「やりたいこと」に使えるようになった自分に、ちょっと驚いています。

もしあなたも、考えすぎて疲れてしまう日々に悩んでいるなら──
この本を手に取ることで、人生の“軽さ”を取り戻せるかもしれません。

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