「午後の恐竜」星新一
📕本書との出会い
僕の価値観を支えてくれた作品は数多くありますが、パッと思い付くのは「地獄先生 ぬーべー」、「アウターゾーン」、そして星新一さんのショートショートの小説です。
うち2つはマンガですねヾ(≧▽≦)ノ
「ぬーべー」からは心霊観と守る力の大切さを学び、「アウターゾーン」からは不幸にしようとする何者かとの戦い方を学びました。
実は最近気付いたのですが、僕の書く文は「アウターゾーン」の著者の光原伸さんの書き方に似ているかもしれません。
「〜のだ。」とか解説から一気に自分が話したいことに飛ばすとかですね。
これはコミックスを持ってない人にはわからないでしょうし、今回は全く関係無い話でした。
アウターゾーンについてはいつか書きたいと思います。
星新一さんから影響を受けたことは多すぎて書ききれませんが、ひとつを挙げると1文字1文字を大切に間違いがないように書くことを教わりました。
文を書くとき、間違いがないことがとにかく大事らしいです。
短いページ数で評価される世界で未来永劫語り継がれる作家ですので、そのお言葉はとても重いです。
星新一さんのおかげで誤字脱字だけはやめようと気を抜かずに書き続けることができています。
📘あらすじ
さて本書はショートショートの話です。
全11編と他の作品に比べるとちょっと少なめですが、その分内容が濃く楽しめました。
表題作の「午後の恐竜」は突如恐竜の映像が現れた地球が舞台です。
恐竜(🦖🦕ギャオー)は触れることはできず、実体を持ちません。
まるで立体テレビのようです。
ひとつの家族が恐竜について、この現象について話し合っています。
家族の会話でリアリティを出し、解説もさせています。
このあたりの手法についうなってしまいます。
お酒は飲めないですが、お酒を飲みながら読みたくなります。
ニュースではこれは全世界で起きている現象で、しかも猛烈なスピードでその映像の中の時間が経過していることを語っています。
ニュースの言葉どおり、やがて恐竜の時代は終わり、哺乳類が現れ、人類が誕生します。
この映像は何を表しているのか、家族は考えてしまうのでした。
📗独自の解釈
ここでぬーべーの話に戻ります。
今手元にぬーべーがないので、記憶頼りの自分の解釈たっぷりな話になりますが、「石の記憶」の話がとても面白かったです。
ぬーべーいわく、石や岩は力を持ちやすく、記憶力を持ち、時に心霊現象を起こすらしいです。
そういえば宝石やお墓や地蔵などの怪談は多いなとも思いますし、霊能力者方が持つ水晶玉はなんだか力がありそうです。
ぬーべーも常に水晶玉を持ち歩きますが、ときに水晶玉が経験した妖怪の映像を立体化して暴漢を退治したり、水晶玉で強盗犯を殴ったりします^_^
「午後の恐竜」の中で突如現れた謎の立体映像は地球が経験してきた記憶です。
なぜ、そんな映像が見れるのかは人間がいつか経験しうる(かもしれない)あの現象です。
ネタバレごめんなさいで書いてしまいます。ネタが分かっても面白い本なのでお許しください。
午後の恐竜の映像は地球が観ている「走馬灯」でした。
地球の命が尽きようとしている時、過去を思い出しているのでしょう。
それはとてもリアリティを感じるものでした。
📙最後に
この物語は地球の行く末を案じてのものなのだと思います。
星新一さんは創作は幾度も現実のものとなっているので、この本も無視できないです。
AI技術や携帯電話なんかは星新一さんの創作を読んだ方が作ったもののように思ってしまいますが、実際どうなのかはわかりません。
でも日本に多大な影響を与えた作家さんであることは間違いないのでなにか一冊は持つことを強くおすすめします!
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