「魔王」伊坂幸太郎
📕いざ神保町読書会へ
神保町という名前を聞くだけで文学好きの方は血がたぎるのではないでしょうか。
ここは東京の文学の中心地、ここでは何を言っても文学になりそうです。
さっ、脱線はこの辺りにして、今回は神保町に来ています。
平日の仕事終わりに読書会です。神保町で行われている読書会に参加してきました。
面白い本を世の中に広めるのが僕の使命です!
いざ神保町読書会へ!
📘読書会でのテーマ
今まで何度か読書会に参加したものの、テーマがある読書会は初めてでした。
テーマは「私の生きづらさを減らしてくれた本」でした。このテーマは難しいですね。
僕みたいな変人にはこの世界はとても生きづらいのですが、そこに焦点を当てたことはありませんでした。
みんなそれなりに生きづらい世界でしょ。それが普通でしょ。って。
でもいつかは真剣に考えなければいけないことかもしれませんね。
ビジネス書を持っていくのは頭にありません。ビジネス書についてちゃんと話せる自信がないからです。
真剣に悩んだ結果、伊坂幸太郎さんの「魔王」にしました。
人生とはGとの戦いです。人類 vs Gと言っても過言ではありません⁇
過酷なるGとの戦いを癒してくれるのが【魔王】でした。
📗紹介する本・【魔王】について
「魔王」は市民を熱狂的にさせる政治家・犬養と安藤兄弟の闘いです。
皆が犬養に流されるなか、安藤兄弟は超能力を武器に波に抗います。
敵役となる政治家は元俳優で自ら新党を作り、関西弁で話すあの政治家さんを想像してもらえたらいいと思います。
演説のたびに聴衆を熱狂させ日本を熱くしていきます!
小説内でもそうですが、決して悪い人ではないです(;^_^A
ただ安藤兄はもっと自分で考えたい人なので政治家に流されたくないと反発します。
兄弟が持つ超能力で政治家と戦うのですが、その超能力も面白いものでした。
兄は「腹話術」です。自分が考えた言葉を目の前の相手に言わせることができます。
この能力を使えば聴衆を別の方向に向かせることができるか⁈みものです。
弟は「10分の1=1」です。10個のものの中から直感で選んだものが正解になります。
なんていい能力なんだΣ(・□・;)
これを使えば10頭で走る競馬のレースで100発100中です。
「魔王」は兄弟の会話が面白いのが特徴の本でもあります。
Gについての会話は特に印象的なのです。
家にはときどきGが出ます。皆から忌み嫌われていて、カサカサと動き、ときには飛ぶ、あいつです。
安藤兄弟ははあいつの名前が怖いからいけないと話します。
『せせらぎ』とか、『さらしな』とか、そういう優しい音の名前なら、まだ、そこまで悪くなかったと思うね
兄が政治家と戦う気持ちを固めつつあるときに弟からの励ましの言葉です。
あんまり考えすぎるなよ、こうやって馬鹿話してた方が楽しいだろう?と。
兄弟の絆と伊坂幸太郎のユーモアを感じたシーンの紹介でした。
僕も「ごきげんよう、お久しぶり」とか「せせらぎが出た」とか言って恐怖感を消してから、闘うようにしています。
あいつとの戦いは人生のテーマです。あいつが出ても気を強く持たないといけません。
と、こんな感じの話で参加者の皆さんに笑ってもらいました。
📙最後に
読書会はすごく楽しかったです。小説を持っていったのは僕だけでしたけど。
紹介していただいてすぐに買おうと思ったのは、小川洋子さんの「物語の役割」でした。
「物語の役割」の紹介では、言葉とは創るものではなく、すでにあるものを見つけること、と聞きました。とても素敵な考え方ですね。
また欲しい本がたくさん増えました。
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