超能力バトル「愚者のスプーンは曲がる」

小説

「愚者のスプーンは曲がる」桐山徹也


📕本書との出会い

本書は「スマホを落としただけなのに」と同じ日に発売されました。

もし、発売日が少しでもズレていたのならば、もっと有名になっていただろうなと思う一冊です。

本書はずーっと嘘の物語です。

もしくはすべてが本当なんだけど本当かどうかわからない話です。
どう読んでも面白いのが特徴なのです。

発売当時の僕は書店員でした。

「スマホを落としただけなのに」の隣に「愚者のスプーンは曲がる」を置いたのは僕です。

どちらも発売初日に買い、読みましたが、「愚者のスプーンは曲がる」の方を勝手に推していました。

それでも「スマホを落としただけなのに」は映画化すると予言していましたけど(^_-)-☆

↑映画化当てたの誉めて(*‘∀‘)ホメテー



📘あらすじ

物語は冒頭から穏やかではありませんでした。

主人公の町田瞬の前には銃を所持した超能力者(らしい) の2人組です。

瞬は拉致され、命の危機に陥りました。

しかし、男の方は「気分がいい」と言い、女の方は熱いコーヒーを飲んだりラーメンをすすったりしています。

命のやりとりが多くある本書ですが、常に不思議とおかしみがあります。


彼らは組織の命令で、危険な能力を持つ(らしい)瞬を殺しに来たのだと言いいます。

瞬の持つ能力とは、超能力の「無効化」です。

つまり瞬の前では超能力者による超常現象は発生しない(らしい)ーーということです。

何とか命拾いした瞬は、見逃してもらう代わりに超能力者による組織 《超現象調査機構》で働くことになり、やがて奇怪な事件に巻き込まれていきます……。



📗見どころ

僕は本書の設定を理解するのに時間がかかりました。

なので、少しずつまとめていきます。

本書に出てくる登場人物はほぼ、何かしらの特殊能力を持っています。

ただ、能力には制限や代償があります。

瞬を拉致した男は熱を自在に操りますが、常に頭痛があります。

女の方は熱いものが食べられないという代償があります。

他にもサイコメトリーを使う者や透視能力を持つ者もいます。

お尻に入れると未来余地ができる能力はふざけすぎてて笑いました。

能力は強力であるほど、代償が重いらしいです。

人の憎しみや怒りを向けられるという代償がありましたが、それはなんかはかわいそうです。

さて、瞬の能力は「無効化」です。彼の前ではどんな能力も使えません。

つまり、無効化の能力により、彼のそばにいると代償が無くなります。

ただ、ある程度の有効範囲があるみたいです。


瞬の能力の代償は運の悪さでしょうかね。これは明らかにはされていません。

そして本書の面白いところは全編に渡り、瞬が語り手ということです。

瞬の周りで起こる出来事や瞬が考えたことしか書かれないため、本書では能力を使うシーンは一切出てきません。

ここで、ずっと嘘の物語と言ったのがわかってもらえると思います。

全員が瞬を騙している可能性があるのです。

瞬の所属した超現象調査機構は裏警察みたいなものです。

瞬はこの能力を使って悪の組織と戦います。

果たして瞬は世界を救えるのでしょうか。

みんな超能力無くなっっちゃえばいいのにヾ(≧▽≦)ノ



📙最後に

とってもユーモアにも富んでいる作品です。

お気に入りの文は現実にいる超能力者のユリゲラーさんを意識してのセリフです。

瞬の上司が言います。

「いいか、恋ってのはマラソンみたいなものだ。上り坂もあれば給水所もある。いろんなドラマをの先に、ゴールはあるんだ」村井さんは僕の肩を叩き、「ユリげろよ、瞬」と言い、軽く手を上げて去って行った。

このユリげろは笑うしかなかったです。

瞬の《「ユリげる」って何だ。》というツッコミも笑えました。

本書は僕の中で続編が待ち遠しいランキングの第一位です。

いつかこのランキングに権威がつくように頑張ります!

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