課外活動で戦争に巻き込まれる話「槐」月村了衛

小説

「槐」月村了衛


📕本書との出会い

突然ですが、僕の好きな映画の一つにバトルロワイアルがあります。
15禁の映画なので当時の中学3年生は卒業証書を手に映画を観に行っていましたね(^_-)-☆
バトルロワイアルはキャストの良さと主題歌の良さが際立っています。
主題歌はドラゴンアッシュの「静かな日々の階段を」です。
厳かな雰囲気と希望的な歌詞が映画にぴったりで曲を聴くために映画を観たりもしました。

キャストもとても良かったですよね。
バトルロワイアルで主演の藤原竜也さんはこの作品が出世作でした。
以降の映画やドラマは生死に関わる役ばかりになりました(≧▽≦)カイジトカインシテミルトカ
キャストのうちで特に塚本高史さんが大好きでした。頭がよくてかっこよかったです。
そうそう、今は政治家の山本太郎さんも出ていましたね(*’▽’)

今回はいつにも増して脱線しましたが、強引に本書につなげます。
本書を読んでいるとき頭の中で勝手に映像化して一つの映画のようになりました。
本書にあるのはバトルロワイアルを彷彿とさせる凄惨な殺し合いでした。


📘あらすじ

水楢中学校野外活動部の弓原公一らが合宿で訪れた湖畔のキャンプ場で、惨劇は起こった。隠された大金を探す半グレ集団・関帝連合がキャンプ場を封鎖し、宿泊客を虐殺し始めたのだ。囚われの身となった公一たち。だが絶体絶命の状況下、突然何者かが凶悪集団に反撃を開始した!謎の闘士と中学生たちが決死の脱出に挑む。

舞台は湖畔のキャンプ場です。中学校野外活動部の一行が合宿で訪れました。
この湖畔に大金が隠されているという情報を聞きつけた半グレ集団・関帝連合がキャンプ場を封鎖し宿泊客を虐殺し始めます。
更に情報を聞きつけた中国マフィアも加わってキャンプ場は戦争状態です(;^_^Aミンナナカヨクシテホシイ

絶体絶命の中学生たちですが、謎の闘士が助けに来てキャンプ場からの脱出を目指すというストーリーです。
ちなみに謎の闘士の名前が槐(エンジュ)です。
これはお伝えしていい情報です。多分、きっと、知らんけど(*‘∀‘)

間違いなく日本史上最大級の殺人事件となりますが、40億もの大金ならば動機にはなりえます。
それに加えて早い者勝ちという時間制限があることがリアリティを増幅させます。
また、警察の介入に時間がかかる山奥の湖畔という設定が動機を強めています。


📗見どころ

本書は主人公チームの目線で語られることが多いです。
このチームの人間関係が面白くて応援したくなるのが魅力の1つです。

チームのメンバーは中学校の野外活動部の生徒と教頭先生(おじさんで口うるさい)と新任であまり頼りない感じの副顧問(若いが地味な女性)です。
ヤンキーがいたり、生徒会副会長がいたり、野外活動部ガチ勢のメンバーはヤンキーと対立したりします。
あと、部長は個人的な事情で関帝連合を憎んでいます。

本書は設定や位置関係を理解してからが面白いです。
基本的な構造は闘士(+中学生一行)vs.関帝連合の幹部vs.中国マフィアです。
わちゃわちゃとした序盤、そこを襲撃する関帝連合の諸君。
助けに来た闘士と横取りを企む中国マフィア。
生徒思いなのか見えにくい教頭先生と教師。あと槐の正体にも秘密がありそうです。
みんな生き残るために必死です(;^_^Aミンナナカヨクシテホシイ

本書の解説には「著者の空間把握が見事」とあります。
それはすぐに感じることができました。
著者の舞台設定の描写が素晴らしく、多数のキャラが出てくるのに今何をしているか、どこにいるかが、すごく分かりやすいのです。
剣や銃などの武器を使った戦闘や爆発や罠があるカオスな現場なはずなのに分かりやすいということが本書の最大の魅力です。
ストレスなく読めるって素晴らしいことです。
きっと著者の脳内に映像が鮮明に浮かんでいて、それを伝えるのが得意なのでしょうね。

舞台の描写が素晴らしいが故の技なのでしょう。
戦闘シーンがとんでもなく面白いです。
おすすめは柔道使いの教頭先生vs青龍刀とライフルを持ったマフィア連中です。
バタバタと敵を投げ飛ばしていく教頭は素早い動きと戦いの経験から圧倒します。
しかし、敵の幹部は中国拳法の使い手で・・・


📙最後に

定期的に訪れる(?)ドンパチ小説の紹介でした。
武器や戦争に興味のある方におすすめですヾ(≧▽≦)ノ

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