「神様からひと言」荻原浩
📕本書との出会い
僕の中でお仕事小説と言えばこれです。
荻原浩さんは元会社員で元コピーライターとだけあって言葉の使い方と会社にいそうな人の描き方がお見事です。
本書ではそんな荻原浩さんがたどっていた道を深く味わうことができます。
というよりかは荻原浩さんが会社員時代にできなかったことを本書の主人公にさせたかったのかもしれません。
会社員を経験したことのある人ならば誰でも上司にたてついたり、「やられたらやり返す。倍返しだ!」と言いたくなったりするかもしれません。
本書の内容はそれです。
📘あらすじ
主人公の佐倉は大手広告代理店を辞めて、食品会社に再就職するものの入社早々販売会議でトラブルを起こしてしまいます。
そしてリストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となってしまいました。
お客様は神様だと言う社風の下、クレーム処理に奔走する佐倉でしたが、実はプライベートでも女に逃げられていました。
ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているのでしょうか。
次の段落から見どころを3つに分けて紹介します。
📗見どころ①クレーム対応
ひとつ目は上司である篠崎のクレーム対応です。
仕事ができない、やる気ないように見える彼が次々とクレーマーを黙らせていく方法が面白いです。
佐倉の勤める会社ではカップラーメンや袋めんを販売しています。
トラブルが起きやすい会社ですが、お客様相談室の電話番号をでかでかと載せているから面白いですヾ(≧▽≦)ノ
印刷のミスで当たり券を大量に作ってしまいうとヤクザが大量に購入し、トラブルに(;^_^A
これは会社側が悪いぞなんて思いながら読んでました。
📗見どころ②神様の存在
ふたつ目は佐倉にとっての神様の存在です。
新宿中央公園の神様と佐倉は親しくしています。
公園に住む神様、いわゆるホームレスですが、彼が語る言葉にも要注目です。
なぜホームレスになったのか、何を語るのか、感動的でした。
📗見どころ③会議
最後は後半にある会議のシーンです。
会議が出てくる小説は数多くありますが、とても身近なものだけに心が震えます。
物事を伝えるときは、強い覚悟を持って言葉を使う事が相手の胸に響きます。
そのことは荻原浩さんが会社員時代に培ってきたものだと感じました。
そしていつか上層部に言いたかった言葉なんだろうなぁと思い、僕も胸がすかっとしました。
(僕が思っている事とはもちろん違います。今の職場の人にこのブログを読まれたら大変なことになるかもしれないので、強く否定しておきます^^;)
📙最後に
本書は調べてみたら二回もドラマ化していたみたいです。
一つはWOWOWで伊藤淳史さんが主演を務めています。
もう一つは小出K介氏が主演だったので放送を取りやめたみたいですね。
伊藤淳史さんのをツタヤで探してみることにしましょう。
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