「阪急電車」有川浩
📕本書との出会い
本書と出会った当時、好きな子が有川浩(ありかわひろ・女性)さんのファンでした。
がんばって声をかけ、好きな作家を聞き出しましたヾ(≧▽≦)ノ
読書好きにとっては好きな作家は理系か文系かと同じぐらい重要な情報ですよね⁈
当時の僕は荻原浩(おぎわらひろし・男性)さんのファンだったので、「有川ひろさんね。男性とは思えないくらい繊細な文章が素敵だよね」などと大胆な知ったかぶりをかまして恥をかきました。
恥をかきましたが、勉強すればいい!もっとあの子と仲良くなるのだ!!
と、そんなわけで本書で有川浩さんと出会いました(^_-)-☆
📘あらすじ
本書は大阪府の阪急電鉄・今津線を舞台としています。
片道15分の短い路線ですが、その路線を使う人たちは素敵な物語を紡ぎました。
僕は大阪に行ったことがなかったので、大阪の情報はとても楽しかったです。
今津線はローカルな路線らしいのですが、本書を読みながら往復するのも楽しそうだなぁなんて思いました。
ちなみに大阪で一番行きたいところは海遊館です。楽しそう!ジンベイザメと握手したい🤩
📗見どころ
内容は全ての章題に「停車駅名」を入れた16の連作短編集です。途中で折り返しもしています。
停車駅や車内での日常を切り取り、本書を編んでいます。
宝塚駅から隣り合わせに座った女性は、征志の側から一方的に見覚えがある人だった。
宝塚図書館で本を横取りした人だったのだ。まぁ彼女に悪気はないのは分かっているのだが。
外を眺めた彼女だったが、ふいに征志に話かけてきた。
これは恋の始まりがする素敵な話でした。この2人はまた別の章で出てくることになります。
ひとつひとつの章は短く、たくさんの語り手がいます。語り手は前に出た人について語ることもあり、物語には連動性が生まれ、スピード感が増していきます。
電車に乗っているときに読むのが楽しくなる工夫が随所にしてありました。
一番気に入った話は、映画では中谷美紀さんが演じている・翔子の話でした。
翔子は婚約者を同僚に奪われたあげく、その結婚式に呼ばれていました。
翔子は「討ち入り」のために純白のドレスを着て結婚式に向かいます。
案の定結婚式では浮きまくり、電車内ではお嫁さん扱いされます。
呪いに満ちた翔子を励ましたのは乗客の主婦でした。
電車内で純白のドレスを着ている、ヤバそうな人には関わりたくないと僕の本能は言っていますが、そんな人にも優しい街、それが大阪なのかもしれません。
📙最後に
僕はフラれてたとしても呪いにかける気はないです(;^_^A
しかし、呪いをかけたくなるほど、愛した人ということであり、共に過ごした時間はとても濃いものだったのでしょう。
そして、結婚式をぶち壊そうとしたのはとても勇気のいることです。
私事ですが、僕は何度か「人を本気で好きになったことありますか?」と聞かれることがありました。
そう聞かれると本気ってどうやって図るんだ。計測方法を教えてくれ。と反発してしまいますが、僕の語る愛の言葉に本気度を感じなかったということなのでしょう。
本気で愛すれば、それは憎しみにも変わるものなのかもしれない。今はそのことだけ、覚えておこうと思います。
ポエム風に締めてみました( ´艸`)
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