僕の人生はどうだったのでしょうか?「彼女の人生は間違いじゃない」廣木隆一

小説

「彼女の人生は間違いじゃない」廣木隆一


📕本書との出会い

書店で過ごす時間は僕にとっては夢の国のようで、素敵な出会いの場です。

書店に通うことで彼女ができるならばなおいいのですが、そんなはずもなく、物語の中での美女に逃げることとします。

本書の表紙はとても美しいです。

女性の横顔も美しいですが、色使いも見事なので何も考えずに買うことができました。

タイトルも素敵です。

急ですが、タイトルに惹かれる小説ランキングですヾ(≧▽≦)ノ

(いつかこの賞が権威を持てるようにがんばります!)

一位は「震える牛」です。

狂牛病が一時期流行りましたが、裏があるかのように感じさせるタイトルです。

二位は本書です。「彼女の人生は間違いじゃない」

三位は考えておきます(笑)

彼女がどんな人生を歩んでいたのかは表紙だけでは分からないですが、「間違いじゃない」という励まし方はとても好きです。

明石家さんまさんの「生きてるだけで丸もうけ」みたいな雰囲気を感じる言葉です。

僕も誰かに「君の人生は間違いじゃないよ」と言ってほしいものです。

(お気軽にコメントくださいヾ(≧▽≦)ノ)


📘あらすじ

筆者の廣木隆一さんは映画監督です。

「きいろいゾウ」「100回泣くこと」「ストロボ・エッジ」「オオカミ少女と黒王子」「PとJK」「さよなら歌舞伎町」「余命1ヶ月の花嫁」などを手がけたらしいです。

すごいですね。小説は本書が初めてとのことでした。

自分で書いて自分で映画化するのですから2度儲かりそうだななんて思うのは現金すぎますかね¥(╹◡╹)$

さて、あらすじの紹介といきたいのですが、内容が過激なので慎重にいきたいところです。

というわけで、背表紙からです。

震災後、恋人とうまく付き合えなかったみゆき。父と二人で、仮設住宅に暮らす彼女は、週末、高速バスで上京し、デリヘルのバイトを始める。

福島と東京、市役所職員とデリヘル嬢。二つの間を行き来する彼女の、生きるための闘いを描く感動作。

話題の映画監督が、自身の故郷を舞台に書いた初小説を、映画化!

なかなかに過激な物語です。

しかし、「炎上が怖くて、無茶ができるかー」と忍びの国の無門っぽく言いますが、ここからはちょっと正直に書きます。

まず、男として表紙のような美女と関係を持てたらそれは幸せなことです(^^)

それはデリヘルで働く子ではなく、普通に出会い彼女にしたいという意味ですが。

文章はとても良かったです。映画監督らしく、脚本みたいでセリフが多めです。

狙いがあってのことなのでしょう。

心情はあまり書いておらず、事象を三人称の文でただ、書いていきます。

この書き方は僕の大好物で、ノンフィクション小説の匂いが好きなのです。

その書き方が福島の現状を俯瞰的に捉えていて、実態なのかどうかは別にしろそんな生き方もありだなと思わせてくれました。

もっと言うと、震災という大変な危機を乗り越えたからこそ、デリヘルというめったにない経験を積んだからこそ、みゆきにはより幸せになって欲しいです。


📗感動作⁈

ひとつ気になることは背表紙の《感動作》という言葉です。

みゆきの父親はパチンコにハマってしまっています。

震災後の保証金はパチンコ代に注ぎ込みます。

この親娘はきっとニュースでは扱えないことと思います。

テレビ局が求める被災地での生活実態とはきっと違うことでしょう。

それを小説として描く廣木隆一さんはとても攻めているお方です。

だからこそ《感動作》という言葉はいらないように感じてしまうのです。

小説の内容と合っていない気がします。

この親娘を見て、被災地は大変だけど健気に生きる親娘は感動的だと思うのも、やはりデリヘルで働くのはちょっとなぁと思うのも、僕も一生懸命に生きよう!と勇気をもらうのも自由なはずです。

筆者ならどの感じ方をしても「間違いじゃない」と受け止めてくれるだろうと思うのです。


📙最後に

ぜひ一度読んでみて欲しいです。

エロいシーンや過激なシーンは少なく、ただ福島と東京を描いています。

本は薄く、文字は大きめです(^^)

読後、どんな感想を抱いても、筆者から「それは間違いじゃないよ」と言ってもらえそうな気がします。

📙最後に(その2)

僕は小説のジャンルに非常にこだわります。(ミステリーや恋愛など)

本書はジャンル分けがとても難しかったですが、彼女の人生をていねいに描いたとして「青春小説」としました。

異論・異議・誹謗・中傷はコメント欄へ!ぜひ話し合いましょう。

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