メモの魔力は本当に魔力だった。たった1冊で転職がうまくいった話

「メモの魔力 The Magic of Memos」前田 裕二


📕本書との出会い 「どうせ意識高い系でしょ」と思っていた僕へ

正直に言うと、『メモの魔力』というタイトルを初めて見たとき、僕は「また自己啓発っぽい本か…」と思っていました。
当時の僕は、転職を考えていたものの、自分の強みもやりたいこともぼんやりしていて、何から手をつければいいのか分からない状態でした。

それでも、SNSで何人もの人が「この本、人生変わる」と言っているのを見て、半信半疑で購入しました。
結論から言えば、あのとき手に取った自分に心から感謝しています。

なぜならこの一冊のおかげで、
「自分の言葉で、自分のことを語れるようになった」からです。

そして、その力は、転職活動という勝負の場で、想像以上に役立ちました。


📘見どころ①自分の中の“言語化できていない想い”に気づいた瞬間

『メモの魔力』には、シンプルなメッセージが繰り返し出てきます。
それは「メモは記録ではなく、思考の武器である」ということでした。

僕もそれまでは、メモと言えばToDoリストや会議の議事録程度に使っていました。
日常の中にある“気づき”や“自分の感情”をメモする習慣なんて皆無でした。

ところがこの本を読みながら、ある出来事について自分なりに分析してみたんです。
たとえば、ある日駅前で外国人観光客を助けた出来事を、

ファクト(事実)→ 英語で道案内をした  
抽象化(本質)→ 誰かの不安を察知し、行動できる強み
転用(応用)→ チームでのトラブル対応でも発揮できる力

というふうに書き出したところ、「あれ、自分ってこんな強みがあったのか」と初めて気づいたんです。
この瞬間、まるで霧が晴れるように、自分の中でずっと曖昧だった“軸”が輪郭を持ちはじめました。

この「ファクト → 抽象化 → 転用」は面接対策の神スキルでした。
『メモの魔力』の核心は、ただのメモではありません。
事実(ファクト)を記録したうえで、それを抽象化し、他の場面に転用する。
この3ステップの思考回路こそが、本の最大の価値です。

このフレームワークを意識して日常をメモし続けたことで、転職活動の「自己分析」が驚くほどスムーズになりました。
普通の自己PRだと、「責任感があります」「粘り強さがあります」など、抽象的な言葉に終始しがちです。
でも、この方法で掘り下げていくと、具体的なエピソードとセットで話せるようになるんです。

実際、面接で「あなたの強みは?」と聞かれたときに、
「私の強みは“相手の不安に気づき、行動できること”です。実際、以前こんな場面がありました…」
と自信を持って話せたのは、日々のメモがあったからこそ。
面接官から「言葉に説得力がありますね」と言われたのは初めての経験でした。


📗見どころ②メモを習慣にすると、毎日がネタ帳になる

『メモの魔力』を読み終えてから、僕は小さなノートを常に持ち歩くようになりました。
思いついたこと、嬉しかったこと、イラっとしたこと、誰かの言葉など、すぐに書き留めておきます。

最初はただの記録に見えたメモも、後から読み返すと「なぜそう思ったのか?」「この気づきは他でも活かせないか?」と自分に問いかけることで、どんどん思考が深まっていきました。

不思議なことに、メモを続けるほどに「人生に意味が増えていく」感覚があったんです。

たとえば、ただの飲み会も、メモを取ることで「人間関係の築き方のヒント」が見えたり、
ちょっとしたトラブルも「自分の感情パターンの分析材料」になったりします。

まさに日常が“ネタ帳”になっていく感じでした。
そしてこの“蓄積”が、転職活動という大事な場面で大きな武器になったのです。
気づけば転職の自己PRが“勝手に完成していたのです。

転職活動をしていて、一番つまずくのが「自己PR」や「志望動機」の部分です。
多くの人が、テンプレ的な内容を並べてしまい、面接官に響かないものになってしまいます。

でも、僕の場合は違いました。

メモをもとに自分の経験を何度も“抽象化→転用”していたおかげで、言葉に自分の体温が宿っていたのだと思います。
書類選考の通過率も明らかに上がり、面接も想定問答に頼らず、自然体で話すことができました。

結果的に、志望していた企業から内定をいただきました。
しかも「あなたの話を聞いていて、納得感があった」と言ってもらえたんです。

これは、本を読んだだけではなく“自分で実践し、積み上げたメモ”があったからこその成果でした。


📙最後に

メモは「魔力」ではなく「習慣」で育つのだとわかりました。
今では『メモの魔力』は、僕の生活の一部になっています。
スマホのメモアプリにも毎日何かしらの記録を残し、月末にはそれを見返して自己理解を深めています。

この本は、ただのメモ術ではありません。
「自分を知るための武器」を与えてくれる一冊です。

もし、あなたが今、
自己分析がうまくいかない
転職に向けて自分の強みが見えない
日々の出来事がなんとなく流れていく

そんな感覚を抱えているなら、ぜひ『メモの魔力』を手に取ってみてください。
あなたの中に眠っていた“まだ言葉になっていない魅力”が、少しずつ浮かび上がってくるはずです。

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