「メディア・スターは最後に笑う」水原秀策
📕作者について(ノブペディア)
水原秀策さんの作風が大好きなので紹介です。
水原秀策さんの作風は一言で言うと「プロフェッショナルであり、ハードボイルド」です。
ペンネームは江戸時代の囲碁棋士・本因坊秀策からとっています。
水原秀策さんは以後の小説も書いているので囲碁もきっとお強いのでしょう。
小説の主人公には必ずと言っていいほど何かのプロが登場します。
デビュー作は「サウスポー・キラー」です。
主人公はプロ野球選手で先発のサウスポーです。
(どのチームにも必須と言われるポジションです。語ると長くなりますが、、、僕も野球好きなので)
主人公のチームではサウスポーの選手が消えがちです。
いつか書くのでそのときに詳しく書きますね(^_-)-☆他に「キング・メイカー」というボクシングの作品もあります。
こちらは無口なボクサーが悪役になってまでも目的を果たそうとします。
他に作風の特徴を挙げるとすれば主人公の性格が悪いところでしょうかヾ(≧▽≦)ノ
仕事ができるのならば口が悪くたっていいだろ?みたいなキャラが多いです。
主人公は思っていることを言っているだけなのか注目度を高めたいという狙いがあるのかは定かではないですが、たびたび主人公が炎上しているシーンが描かれます。
本書でもそうでした。
📘あらすじ
天才ピアニストの呼び声高い瀬川恭介は、突如として自分の教え子が殺害された事件の重要参考人となってしまいます。
天才ピアニストによる殺人事件とマスコミは報道します。
しかも被害者は国民的な人気のある美少女ピアニストです。
センセーショナルな話題は、マスコミの格好の餌食となってしまいました。
記者たちが、インパクト優先の記事作りに夢中になる中、報道記者の相沢奈緒は、瀬川犯人説に疑問を感じ、独自に調査を始めます。
瀬川はいわれのない疑いは晴らすため、マスコミに自分の身に起きた出来事を話しますが、信じてもらうどころかその言葉の端々に現れる暴言がクローズアップされ、疑いの色がいっそう濃くなってしまいます。
水原秀策さんお得意の炎上体質の主人公ですヾ(≧▽≦)ノモエテシマウ
一方独自の取材を始めた相沢奈緒は、殺害された少女に、報道されている事とは異なる事実を発見し、事件の真相に近づいていきました。
📗見どころ
見どころは大きく二つです。
一つ目はハードボイルド小説のあるあるです。
主人公の瀬川がイケメンの上、天才、毒舌です。師匠に「クソじじい」と言ってしまうのは人間としてどうなのか思ってしまいましたが(;^_^A
探偵役は瀬川ですが、助手は元女子アナのべっぴんさんです。
ハードボイルド小説と美人の相性は抜群です。
警察は何度も間違えます。
取り調べ室でも毒舌を吐けるのだから大した度胸です。
マスコミも犯人と決めつけて報道します。
マスコミの質問という悪口攻撃もとても楽しく読むことができました。
彼らの間違いは瀬川が犯人を追い詰めるためには必要な演出なのかもしれません。
謎が弱いという弱点のある物語でしたが、水原秀策さんの類稀なる筆力で気にはならなかったです。
見どころの二つ目も水原秀策さん筆力についてです。
二つ目はピアノの演奏シーンです。
これは後半、7ページに渡って描かれています。
ピアノをあまり知らない人でも感激できるように前半から物語が仕込まれています。演奏のシーンには震えました。
音が聞こえてくるかのようで胸が熱くなりました。
主人公の軽薄な印象がガラッと変わる瞬間がそこにあったのです。
流石は水原秀策さんです。
もしくはプロとは何を語るか何を成し遂げるかではなく、何を魅せるかなのかもしれません。
音痴な僕でも感動する演奏(演奏シーン)でした。
📙最後に
僕の音痴っぷりは度を越えてますよ。
ジャニーズが好きでノリノリで歌ってしまうのですが、、、TOKIOの「Oh! Heaven」という曲で20点台をとったことがあります( ;∀;)オロロロロ
(天国に一番近い男の主題歌です。いいドラマだったのでいつか書きたいです。)
それでも音楽は好きなので音楽を扱う小説も好きです。
ピアノや音楽が好きな方でしたら本書から音が聞こえてくるのではないでしょうか。
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