クローズド・ノート:恋と成長の物語

小説

「クローズド・ノート」雫井脩介


📕本書との出会い

本書は沢尻エリカ主演で映画化された作品です。
完成試写会で記者の質問に「別に」と答える姿が炎上していたのが記憶に新しいです。
知人の話だと、映画の題名にちなんで「沢尻エリカ、心もクローズド!」との見出しで報道されたらしいです。

個人的には機嫌が悪かっただけの人に対してそんなに叩かなくてもいいのに、と思いながら騒動を眺めていました。


📘あらすじ

主人公の堀井香恵は小学校の教員を目指し一人暮らしを始めた女子大生です。
ある日引っ越し先の部屋から前の住人が残していったノートを発見します。
大学では吹奏楽部、放課後は文房具屋でのアルバイト、イラストレーターの石飛との出会い、忙しい日々を過ごしながらもノートの存在が気になってしまうのでした。

ある日遂にノートを開いて読み始めると日記だったようです。
ノートを描いた前の住人の彼女は教師だったらしく、香恵が憧れる職業でした。
日記に書かれた内容に励まされ、ノートの持ち主について調べようとしますが、、、果たして。

内容はてんこ盛りですが、香恵は勉強に恋に仕事に忙しく、それでいて一生懸命です。
わちゃわちゃしている様子は読んでいて楽しかったですし、一人暮らしの寂しさ、恋の切なさを読み取ることができました。


📗見どころ

本書は二つの読み方ができると思います。
(ジャンル分けに苦しみましたが、恋愛と青春としています)

というのも恋愛小説として最高なのは間違いないもののお仕事小説としても傑作だったからです。
文房具屋でのアルバイトの内容がとても興味深かったです。
万年筆のメーカーの名前やペンの細さに至るまで詳細に書かれていることが僕好みでした。

元コンビニ店長の僕としては、香恵が「いらっしゃいませ」の声が小さいと注意される様子にはハラハラしてしまい頑張ってと応援しちゃいました。
本書を読んで近所の文房具屋に万年筆を買いに行った僕は、その後その万年筆を使わなくなることを知らなかったようです(;^_^A
(言い訳すると僕は左利きで右から左に線を引きますが、買った万年筆はその動きに対応していなかったのです。香恵に相談してから買えばよかったです💦)

もう一つは石飛との恋を中心とした恋愛小説としての見方です。
イラストレーターと文房具店員の小説的な相性は抜群でした。
こちらはなかなか進まずもどかしい場面が多かったですヾ(≧▽≦)ノキョリノチヂメカタッテムズカシイヨネ

石飛は香恵が見つけたノートの持ち主と深い関係があるのでした。
ノートは二人の関係性に影響を与えるのでしょうか。必見です。

恋愛模様は書きすぎないところが良かったように思います。
二人はどうなるのかずっとワクワク、キュンキュンしながら読むことができました。


📙最後に

どう読むか(映画を先に観るかも含め)は自由ですが、学生時代の甘酸っぱい記憶が蘇ることは間違いないと思います。

春にオススメの一冊です。

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