アドラー心理学は世界を救えるか「嫌われる勇気」岸見一郎 古賀史健

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「嫌われる勇気」岸見一郎 古賀史健

 📕本書との出会い 

大仰しいタイトルをつけてしまいましたが、心理学で世界を救うのは無理です。
この世には心理学を知らない人の方が多いし、流派なるものが存在して心理学者同士でも争いがあるからです。
しかし、ものの見方を少し変えるだけで変わる世界があります。
自分の周りの世界が変わります。次第に周囲の人が変わります。そんな意味で世界を救うです。

私は一時期カウンセラーになろうと渋谷にあるカウンセラー教育学校に通っていました。
カウンセラーの勉強は楽しかったですよ(*‘∀‘)
積極的な傾聴とか色彩心理学とかうつ病についてを学びました。
結局カウンセラーにはならなかったもののカウンセラーのような生き方がしたいと今でも思ってます!
↑これ、本当にヾ(≧▽≦)ノ

📘あらすじ 

さて本書についてです。
本書では強い劣等感を持つ青年と哲学者の哲人の会話で進みます。
対話法はアドラーさんの得意分野だったみたいです。
冒頭の文が二人をこう表していました。
《世界はシンプルであり、人は今日からでも幸せになれる、と説く哲学者が住んでいた。納得のいかない青年は、哲学者のもとを訪ね、その真意を問いただそうとしていた。悩み多き彼の目には、世界は矛盾に満ちた混沌しか映らず、ましてや幸福などありえなった。》
人の哲学を否定しようとする青年に腹が立ってしまう僕はこの青年にだったら嫌われてもいいです。
大まかなストーリーとしては青年は哲人との会話で青年の世界が変わるかどうかです。
彼には幸せになって欲しいものです。

📗見どころ 

物語は時を変え日を変え様々なテーマについて話し合います。
悩み多き青年は色々なことに悩みがあります(;^_^A
しかも喧嘩口調で哲人に話すのでたまにイライラします( ´艸`)
下記は特に僕が興味を持って読めたテーマです。
《トラウマは、存在しない》
《すべての悩みは「対人関係の悩み」である》
《承認欲求を否定する》
《「課題の分離」とはなにか》
《「勇気づけ」というアプローチ》
《「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ》
といったところでしょうか。

この中で《「課題の分離」とはなにか》がドラマの影響もあって脚光を浴びました。
ドラマの名ゼリフ「それは私の仕事ではありません!」です。
「課題の分離」とはこれは誰の課題なのかを考え、他社の領域に踏み込まないということです。
誰の課題かを見分ける方法はその選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰かということです。
勉強しなさいと言わない、引きこもりの子を無理に外に引きずらない、などなど親にとっては厳しい(難しい)内容がそこにはありました。

カウンセラーとして重要な考え方もここにありました。
カウンセリングによって変わるか変わらないかは相談者が選ぶ!です。
なぜ言われたとおりやらないんだとかあなたのためを思って言っているのになどとは思わない方が良さそうです(^_-)-☆
課題の分離だけで3000文字は書けそうですが、そろそろ終わりに向かいます(*‘∀‘)

📙最後に

蛇足ですが、僕が普段から意識していて、それが本書で認められた気がしたのは
《承認欲求を否定する》でした。
僕は販売の仕事が長かったので、スタッフの教育を任されることが多くありました。
そこでよく聞く言葉が「お客様からありがとうと言われるのがやりがいです。」という言葉でした。
とても素晴らしいことなのですが、これを1番のやりがいにしている人は心配になります。
人からいただく言葉がやりがいだと、どれだけ尽くしても相手に感謝されないとき、辛いですよね。
ただ、接客の基本は相手が感謝してもしなくても変わらぬサービス(多くの方が心地良いと感じるサービス)を提供することです。
変わらぬ自分を持つための工夫が必要な気がします。

野球のイチロー選手は自分が打ったヒットの数を数えていました。これは決して減ることはない、チームに貢献できた数字です。
僕は販売数を計算することと美しい売り場を作るのが好きだったので接客業を続けられてきたのだと思います。
お客様に提案を受け入れられなかった経験も多いですが、何かを作り、検証することに喜びと楽しさがありました。
そんな自分の一部分がアドラーさんに認められた気がして、アドラーさんの他の言葉も素直に聴くことができました。

📙最後に(その2・ドラマについて)

本書は香里奈さんが主演でドラマ化もしています。(2017年1月~3月、主演・香里奈さん)
彼女はナチュラルボーンアドラー(生まれつきアドラー心理学が身についている人)の刑事として活躍していました。
毎週のように出てくるセリフは「それは私の課題ではありません」でした。
(僕が上司だったら「今日からあなたの課題に決めました」と返したい。)
香里奈さんのように言える人はかっこいいです。
僕だったら「あなたの仕事は私の仕事です」と言ったりとか新人を極限まで甘やかして結局自分の仕事を増やしたりしてしまいそうです。
まだまだアドラー心理学は身につきません。
世界を救うためにはもっとアドラーさんと親しくしなければと思います。

↓続編では「ほめる」を否定しています。これも面白かったです。

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