📕本書との出会い
先に本書を読んでいた兄に感想を聞くと、急にド直球のネタバレが飛んできました。
「館で〇〇〇が出てくるんだよ」とさらりと衝撃的な一言です。
その一言が本書を読むきっかけになりました。
様々な欲が満たされて大満足な一冊になりましたが、どうやらこの本はネタバレなしには語れないようです。
本書のレビューは他の、多数の方が書いているので僕は特に良かったことを箇条書きで綴ることにします。
後半は中核の部分にも触れています。
📘見どころ(その1)・ 館ミステリーとしての進化系
館が舞台のミステリーは数多くありますが、どこかで冷めてしまう自分もいました。
都合のいい台風や電波障害、木が倒れては道を塞ぎ、みな個人行動をとりたがります。
犯人は密室にこだわり、ときには探偵の謎解きに協力します。
探偵は「俺は事件を引き寄せてしまう」と嘆きますが本当に辛いのは被害者です。
本書ではそれらの「無理のある設定館あるある」をクレイジーでグレートな方法で成立させていました。とてもお見事です。
📗見どころ(その2)・ドゥーダニットの探偵とホワイダニットの探偵
館には2人の探偵がいます。
男の探偵はドゥーダニット・どう密室にして、どう殺したかを中心に考えます。
小さくてかわいい女の子探偵は僕のタイプです(^_-)ではなくて、ホワイダニット・なぜ今なのか、なぜ密室にしたかを中心に考えます。
僕のミステリーの読み方は犯人の動機にばかり注目しています。
しかし、本書でホワイダニットの新しい意味を知り、考えるのがとても楽しくなりました。
今後の読書の仕方が変わることが、今はとても嬉しく思います。
・ちょっと休憩( ^^) _旦~~
館が舞台の本格ミステリーでは密室や謎解きにページをとられて、被害者はテンプレートとなりがちです。
すなわち殺されても仕方のない奴です。
じっちゃんの名にかける探偵やメガネをかけた少年探偵の物語りでも被害者はろくでもない連中が多いです。
本書は少し、被害者にひねりがありました。そこも良かったです。
📙見どころ(その3)・〇〇〇が出てくる
※このあとネタバレがあります!!
さて今回1番感動したことをそろそろ。
それはゾンビへの様々な疑問が解消したことでした。
本書ではゾンビの存在によって館に閉じ込められてしまいます。
タイトルの屍人とはゾンビのことだったのかと驚きですΣ(・□・;)
🧟♂️うぉぉ〜🧟♀️あぁぁぅ
本書に出てくるゾンビはザ・ゾンビです。
ゲームのバイオハザード1みたいなイメージです。
想像しやすくクセのないゾンビです。それらは物語を邪魔していません。
僕はゾンビものは好きなのですが、論理的ではない部分にやきもきすることが多々あります。
ここで僕の今までのゾンビに対する疑問をまとめてみました。
・ゾンビはなぜ、ノロノロ歩くのか。
・ゾンビはどうやって人と仲間ゾンビを認知し、人を襲うのか。
・ゾンビになるとなぜ、自我を失うのか。
そして下が1番の疑問です。
・ゾンビは人を食べるイメージがある。しかしその人は噛まれた瞬間ゾンビになる人だ。
つまり、共食いだ。そんなに肉が好きならば仲間を食べればいい。
放っておけばゾンビは共食いによりいなくなるはずだが、ゾンビはなかなかいなくならない。
本書ではこれらの疑問にある程度の解答を出しています。
きっと筆者もゾンビのキャラ作りに頭を悩ませたことでしょう。
しかし、逃げずに真っ正面からゾンビと向き合い自分なりの答えを出していました。
その誠実さには尊敬と感謝の念でいっぱいです。
詳しくは本書を要チェックや!
📙最後に
本書は映画化しましたね。
本書にはゾンビと殺人によるパニック、ゾンビ学と探偵学の講釈、恋の要素までありますが、どう再現されるのかぜひご覧いただきたいところです。
主演が神木隆之介くんと浜辺美波さんΣ(・□・;)神木隆之介くんかっこよくて好きです。
というわけで、映画も要チェックや!
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