📕本書との出会い
岩井勇気さんのコラムは何度かYahooニュースで読ませていただきました。
組み立て式の棚の話と同窓会での嫌な奴の話でした。
特に同窓会の話は面白く、あっという間に読めてしまったので、これは何文字だ?と疑問感じ、調べたことを思い出しました。
ちなみにですが、僕の書く記事は大体1000字超、岩井勇気さんのコラムは4000字程度でした。
面白い記事ならば、あっという間に読むことができると新しい発見をくれたので、岩井勇気さんをお手本としたいですが、文字数はこのままでいきたいと思います。
📘あらすじ
本書はハライチというお笑いコンビのフリ担当・岩井勇気さんのコラム集です。
全25編からなる本書では特に事件は起きないのですが、日常を芸人目線で切り取っています。
岩井さんは冒頭で面白おかしくトークをするのは苦手だと書いていますが、文章力はピカイチでした。
📗見どころ
特に同窓会の話は特に共感の連続でした。
岩井さんの母校の卒業生たちは仲が良いみたいで、毎年のように同窓会があります。
そして、岩井さんはそれに参加しません。毎回繰り返す笑いや自慢話に嫌気がさしているとのことです。
とある同窓会の日、岩井さんは参加しないでいると、どうしても岩井さんに会いたいという人がいるからと付き合いのあった友だちから呼び出されます。
渋々行ったら呼び出した彼に「よう、天才!」と雑な挨拶をされ、自慢話がスタートです。
自慢の内容は年収の話ですね。仮想通貨で当てたみたいです。
オチを先に言ってしまうと、嫌な思い出だけができた、ということになります。
確かに事件らしい事件は起きていないもののその書き方がとても面白かったです。
同窓会の話の続きです。厳密に言うと同窓会は終わり二次会での内容です。
バーには岩井さんとその友だちと呼び出した彼の3人です。
呼び出した彼の自慢話がひと段落つき、岩井さんが他に気になった友だちの話をすると、今は警備員をしているとのことでした。
岩井さんを呼び出した彼は警備員の仕事をバカにしたような発言をします。
「っていうかさ、30過ぎて警備員ってどうなの?」
そしてその言葉が岩井さんには許せませんでした。
岩井さんはもっと簡潔に呼び出した彼を断罪しています。もちろんそれは口には出さなかったですが。
こいつは収入で人の価値が決まると思っている。しかしその価値観が全てだと思っていた場合、自分より収入が多い同級生から「お前、頑張ってんの?」と言われた時に、ぐうの音も出なくなることをわかっていない様子だった。
最後は《その同級生の男とはもう一緒に飲むことはないだろう。帰り道、僕はそう思った。》で締めます。
3人分の会計を済ませてから店を出ることも含め、とてもグッと来るものがありました。
僕は自慢話を聞くのは好きですが、人をバカにする発言は許せません。
そもそも警備員さんが日本からいなくなったら事件・事故が多発し、あなたやあなたの大切な人が傷つくかもしれない。そんなことも分からず警備員をバカにする彼の方がバカです。バーカバーカ(# ゚Д゚)
お前の家にタンクローリー突っ込ませてやろか(# ゚Д゚)
すみません。熱くなりました。僕も彼のことをバカにしたので僕もバカです。
僕はバカにされることが多い人生を歩んでいますが、こう思っても口には出せません。
言いたいことを言えなかった思い出だけが増えるので同窓会には行かないのです。
人をバカにする人は人からバカにされます。改めない限り、それは一生続きます。
それでは生き地獄だと僕は思います。
📙最後に
他の話は愚痴みたいな話や日常のささやかなのほほんとする話が多かったですかね。
食べログで3.04のお店に入ったらこんなサービスだったとか、コーヒーメーカーを試してみたとかです。
何気ない日常を面白おかしく文にする。このような作風と、このような感性を持つ作家さんはとても好きです。
あとがきの文章も素敵でした。この一冊で岩井勇気さんのファンになりました^_^
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