「ニャーロック・ニャームズ」の魅力と推理

小説

「ニャーロック・ニャームズの名推理」 ヒロモト
 副題・猫探偵はタマネギをかじる


📕本書との出会い

表紙だけで購入を決めた本ランキング第一位です!

黒猫大好きヾ(≧▽≦)ノ

そういえば我が家の猫も黒猫でした。名前は「くま」と言います。

くまはお腹と股だけが白かったのでそれはまるで下着みたいでセクシーでした。

くまがお腹を出して寝ていたら「女の子がそんな格好してたらあかんよ💦」と注意していました。

ただ、このエピソードは本書とは何の関係もありません。


📘あらすじ

野良猫として流浪していたニャトソンは、鰹が丘という街で理知的な猫・ニャームズと出会います。

ニャームズはその街で探偵をしており、見事な推理を披露する彼に惹かれ、ニャトソンは一緒に謎解きをするのでした。

ジャンル分けするのならば日常の謎系ミステリーでしょうか。

語り手が猫なので猫にとっては大事件でも人間にとってはあまり気にならないことかもしれません。

扱う事件はひき逃げ事件や瞬間移動の謎、多数の名前をもつ人間の正体や依頼主の過去の飼い主探しなどです。

安楽椅子探偵ものかと思いきや活発に動くニャームズ探偵がとってもかわいいです。

全編を通して、人間にとっては当たり前でも猫にとっては恐怖だし、謎であるということは多々あることがわかって良かったです。

本書を読んだらもっと猫がかわいく思えるかもです。


📗見どころ

一番心に残った話は最初の話でした。

ある日、野良犬兄弟の弟の死体をお兄さんが発見します。

弟は車に轢かれて亡くなったようです。

犯人を特定して欲しいとお兄さんはニャームズとニャトソンに弟の死体を見せ、依頼します。

埋葬するべきだとニャトソンは訴えますが、お兄さんは野良犬には野良犬のルールがあると、このまま土に還るまで見守るのだそうです。

死体をそのままにしているのは野生に生まれたからには、死体は野生に返したいという兄の信念でした。


犯人は弟の死体を移動させているんだとお兄さんは訴えます。

駐車場で轢かれた弟の死体は日を重ねる毎に移動しているとのことでした。

普段から街を観察しており、人間の気持ちが分かるニャームズにはこの謎を解くのに時間はかかりませんでした。


この事件の真相はとても気分が悪くなるものでした。(このあとネタバレです)

弟犬は赤い首輪をしており、それはまるで飼い犬かと思わせるものでした。

駐車場の管理人が犬の死体を見つけた時、管理責任を問われる可能性があり、面倒だなと思います。

しかし、駐車場の外、つまり公道で死体が発見されたのならば管轄は街です。

駐車場の管理人は責任を問われないようにするため、死体を移動させていたのでした。


しかし、犬の死体は廃棄物扱いですか。

確かに(法律上は)そうなのだが、なんか嫌ですね。

ニャームズは事件の真相をお兄さんに伝えるか悩むのでした。


📙最後に

猫小説の中でトップクラスに面白かったです。

何より良かったのはギャグが至る所に挿入されているところでした。

本書のタイトルもふざけていて面白いですね。

猫がタマネギをかじるのはありえないし、あの名探偵シャーロック・ホームズをもじっています。

タマネギとチョコは猫が食べると死ぬと言われていますが、結構な量を食べてようやく致死量みたいです。

タマネギとチョコの常習者であるニャームズいわく少量だと頭がぼーっとして気持ちいいのだそうです。本当かニャー?

それをやめさせようとするニャトソンとの友情が美しかったです。

猫パンチが強く頭脳明晰だけど、壁をつくり他の動物を見下した発言をしてしまうニャームズでしたが、だんだんと成長し猫付き合いがよくなる様子が微笑ましかったニャー。

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